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 早期退職して十数年が経ったある日、森脇さん(現会長)から電話で交遊会へのお誘いを頂き、昔の仲間が居られることも知って入会することになりました。
 入会後は"ゆうゆうクラブ"に所属し、"日光霧降高原ハイキング"(2007年6月22日)でデビューすることになりました。
 雨模様の朝、大切にしまっていた登山シューズを取り出し、身も心も軽やかに集合場所の"日光駅"を目指しました。
 電車に乗って間もなく、私の足下に何やら黒い粉が沢山散らばっているのに気付き、"汚い車内だなぁ〜"と思いつつも小山駅でJR日光線に乗り換えるべく階段を上っていると足裏に違和感が・・・。足跡を描くように黒い粉が点々と続いているのを見て、車内に黒い粉をまき散らかした犯人は私だと気付かされ、ショックを受けました。クッション材のウレタンが劣化してぼろぼろになっていたのです。
 今にも剥がれ落ちそうな靴底をかばいつつ、摺り足で歩を進め、とてつもなく長く感じる駅構内の通路を次の乗り場へ・・・。恥ずかしいやら、悲しいやら、情けないやら・・・。
 屈辱に耐えつつ乗り換えた日光線の車内からマナー違反を知りつつも代わりの靴を手に入れようと日光市内やその周辺の靴店の電話番号を調べ、片っ端から電話をするが、田舎町の朝、誰も起きてもらえず、電話がつながらないありさま。
 とうとう日光駅に着いてしまい、事の一端と靴を求めてから後を追うことを時の幹事森脇さんに連絡、タクシーに乗って町中の靴店を訪ねるが、何処も彼処も店が閉まったまま、仕方なく駅に戻ってもう一度訪ね始めた小さな靴店でシャッターが僅かに動く気配。藁をも掴む思いで老主人に事情を話すと倉庫の奥深くから埃まみれの箱を一つ持ってきて足下に広げてくれました。
 足を入れるとぴったり、私が来るのを長年待っていたかのような靴、いくら支払ったやら・・・!? 夢心地で買い求め、待たせておいたタクシーに乗ってみんなの乗るバスを追い、追い付いた所が最後のバス停、懐かしい仲間にようやく遭うことができました。
 雨の霧降高原の想い出と共にこの時の靴がその後のゆうゆうクラブの行事に何時も連れ立って参加しています。


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